日記
実りの森のグレン「ありがとうのたね」|実りの森で育つのは・・・
実りの森のグレンには、たくさんの果物が登場します。
さくらんぼ、マンゴー、メロン。
物語を作り始めた頃、私は「果物の不思議を描く作品」を作ろうと思っていました。
しかし物語を重ねるうちに、少しずつ気付いたことがあります。
それは、実りの森で育っているのは果物だけではないということでした。
そのことを強く感じたのが、「ありがとうのたね」です。
--------------------------------------------------
【ありがとうのたねのあらすじ】
ある日グレンは道に迷ってしまいます。
そこで出会ったのが、実りの畑でメロンを育てているターゴさんでした。
ターゴさんはグレンに道を教え、メロンを渡し、ミスター・ポムのところへ向かうように伝えます。
そして、それ以上は何もしません。
一緒について行くこともありません。
送って行くこともありません。
お説教をすることもありません。
ただグレンを信じて送り出します。
--------------------------------------------------
【ターゴさんは優しい大人ではなく、信じる大人】
この物語を作った当初、私はターゴさんを「優しい大人」として描いたつもりでした。
しかし後から読み返してみると、少し違いました。
ターゴさんは優しいだけではありません。
グレンを信頼しています。
だから必要以上に手を貸しません。
グレンなら大丈夫だと知っているからです。
もし過保護な大人なら、
「送って行こうか」
「メロンを持ってあげようか」
「一緒に行こうか」
と言うかもしれません。
しかしターゴさんはそうしません。
子どもが自分で歩く機会を奪わないからです。
--------------------------------------------------
【子どもだけでなく仲間も信じる】
ターゴさんは、グレンだけを信じているわけではありません。
ミスター・ポムのことも信頼しています。
だから、
「ミスター・ポムに聞いてごらん」
と言うことができます。
全部を自分で教えようとしない。
全部を自分で解決しようとしない。
子どもを信じる。
仲間を信じる。
そんな大人として描かれています。
--------------------------------------------------
【バドミントン指導で感じていること】
私は学生時代にバドミントン部に所属していました。
その縁もあり、現在は小中学生のバドミントン指導のお手伝いをしています。
その中で感じることがあります。
大人はつい次の課題を教えたくなります。
できるようになったことよりも、
まだできないことに目が向いてしまいます。
しかし本当に大切なのは、小さな芽が出た瞬間なのではないか。
そう思うことがあります。
実りの森のグレンで描きたい大人も同じです。
答えを与える人ではなく、子どもの中にある力を信じられる人。
成長を急がせるのではなく、実るのを待てる人。
ターゴさんには、そんな願いを込めました。
--------------------------------------------------
【実りの畑で育っていたもの】
この物語で実ったのは、メロンではありません。
グレンの中に生まれた
「ありがとう」
という気持ちです。
もっと言えば、誰かの優しさを受け取る力です。
実りの畑で育っているのはメロン。
けれど同時に、グレンの心の中では感謝の気持ちが育っています。
だから実りの畑なのです。
--------------------------------------------------
【実りの森で育つもの】
この物語を書いたことで、私自身も気付きました。
実りの森で育っているのは果物だけではありません。
友情が実る。
優しさが実る。
勇気が実る。
思いやりが実る。
気付きが実る。
感謝が実る。
実りの森とは、そんな場所なのだと思います。
そして物語に登場する「ふしぎのたね」も、単なる知識の種ではありません。
誰かの心の中で何かが育ち始めるきっかけの種です。
--------------------------------------------------
【まとめ】
「ありがとうのたね」はメロンのお話です。
しかし本当に描きたかったのは、メロンそのものではありません。
人を信じること。
誰かの優しさに気付くこと。
そして、その気持ちが心の中で実っていくこと。
そんな小さな成長を描いた物語です。
実りの森で育っているのは果物だけではありません。
子どもたちの心の中で育つ、小さな実りもまた、この森の大切な果実なのだと思っています。
この投稿をInstagramで見る







