日記

2026-06-13 01:03:00

くだもの屋の絵本:今日もぶどうを眺めている

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実りの森のグレンの新しいお話で、ぶどうを題材にした物語を作りました。

正直に言うと、今回も最初から深いテーマを考えていたわけではありません。

いつも通りです。

まず果物を決める。

調べる。

そして物語を考える。

実りの森のグレンは、いつもそんな順番で生まれています。


ぶどうを見ていて最初に面白いと思ったのは、

「一つの実なのに、たくさん集まっていること」

でした。

桃は一つ。

梨も一つ。

メロンも一つ。

でもぶどうは違います。

一つの房の中に、たくさんの実が集まっています。

果物屋として毎日見ている光景なのに、改めて考えると不思議でした。

どうしてこんな形をしているんだろう。

そんな疑問から今回の物語が始まりました。


絵本の中でミスター・ポムは、

「春から夏まで、ゆっくり時間をかけて育つんだよ」

と話します。

ところがグレンは、その時間にはあまり興味を示しません。

グレンが反応したのは、

ぶどうの房そのものです。

「ほんとだ!なんだかおもしろいね」

グレンが見ていたのは、

一つなのに、たくさんある。

その不思議な形でした。

そして後になって気付きました。

それはグレンの反応というより、たぶん私自身の反応だったのです。


私は昔から、

「すごい」

よりも

「おもしろい」

に反応する人間でした。

果物もそう。

バドミントンもそう。

人もそうです。

何か新しいものを見つけた時、

「それで何ができるんだろう」

より先に、

「なんだそれ、面白いな」

と思うことが多いのです。

実りの森のグレンも、そんな好奇心から生まれています。


物語の最後でグレンはこう言います。

「いっぱいあるから みんなでたべられるね」

この言葉も、作っている時は特別な意味を考えていたわけではありません。

でも後から読み返してみると、とても自分らしい言葉でした。

私は果物が好きです。

でも本当に好きなのは、果物そのものではないのかもしれません。

果物を囲む時間。

誰かと一緒に食べる時間。

その時間が好きなのだと思います。


スイカもそう。

さくらんぼもそう。

ぶどうもそう。

果物には不思議と「分ける文化」があります。

一人で食べても美味しい。

でも誰かと食べると、少しだけ楽しい。

果物には、人と人をつなぐ力があるように感じます。

実りの森のグレンで最後にみんなが果物を食べているのも、きっとそのためなのだと思います。


考えてみると、橋本フルーツも少し似ています。

果物屋から始まったはずなのに、

ギフトがあり、

法人事業があり、

ECがあり、

オードブルがあり、

そしてグレンがあります。

まるでぶどうの房のようです。

一つの軸から、たくさんの実が生まれている。

そして、それぞれ違う誰かのもとへ届いています。


ぶどうを描きながら、そんなことを考えていたわけではありません。

ただ、

「一つなのにいっぱいある」

という事実が面白かっただけです。

でも物語というのは不思議なもので、作り終わった後に自分自身の考え方が見えてくることがあります。

今回のぶどうの物語もそうでした。


もしかしたら豊かさというのは、

たくさん持つことではなく、

たくさん分けられることなのかもしれません。

そんなことを考えながら、

今日もぶどうを眺めています。